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遺品整理と特殊清掃の意外なつながりとは?選択基準と注意点も解説

一見すると全く異なるサービスに感じる遺品整理と特殊清掃ですが、実は相互に関係している部分があることをご存知でしょうか。

今回は、どちらに依頼することが適切か判断するのに必要な、遺品整理と特殊清掃の違いとつながりをみていきます。

遺品整理と特殊清掃の違い

まずは、遺品整理及び特殊清掃の内容を説明したうえで、両者の違いを解説します。

 

遺品整理と特殊清掃の内容

 

遺品整理とは、主に故人が生前使っていた衣服や家電製品、趣味のものなど身の回りにあったものを整理することです。遺品整理を業者に依頼すると、多くの場合、自宅や部屋に遺された遺品を分別・整理したうえで搬出してくれます。もちろん、遺品整理業者の中には捨てるだけでなく、買取り業務まで取扱うものがあります。このような遺品の買取りまで対応してくれる業者であれば、遺品が査定された結果、依頼者は合意した査定額の支払いを受けることができます。

 

これに対して、特殊清掃とは、故人の遺体が発見された部屋などについて、原状回復を目指して清掃することです。例えば、一人暮らしの高齢者が孤独死した場合には、遺品が残された当該室内の床や壁などに血液や体液が付着していることもあるでしょう。一般の方には、血液などの汚れを取り除く技術もなければ心理的な強さもありません。そこで、特殊清掃を取扱う専門家が蓄積されたノウハウを投入することで室内を清掃し、部屋などの原状回復が図られます。

 

遺品整理と特殊清掃の共通点・相違点

 

遺品整理及び特殊清掃は、故人の部屋などに入って片付けをするという点では共通しています。ただし、両者の間には以下の3点について違いがあります。

 

  • ・作業範囲
  • ・所要時間
  • ・料金

 

まず、遺品整理と特殊清掃の間には、作業範囲に関して違いがあります。遺品整理の対象業務は、あくまでも「遺品」だけです。部屋に残された物品の処理のみが行われます。これに対して、特殊清掃の対象は「故人が亡くなったという特殊事情を抱える部屋の清掃」です。つまり、故人が亡くなった部屋が体液等によって汚損されている場合、遺品整理だけを専門にしている業者に依頼しても清掃業務はやってくれず、物品の片付けしかやってくれないということです。そして実際のところ、室内が正常な状態でない限り、遺品整理業者の中には遺品整理業務も拒絶することがあります。

 

次に、所要時間に関する違いがあります。作業内容の違いは、所要時間にも影響します。一概には言えませんが、遺品整理は数時間で作業が終了するのに対して、特殊清掃な10時間以上から数日を要することもあります。

 

最後に、料金の違いです。通常の遺品整理の料金は数万円程度(部屋の大きさによって料金が設定されています)で、買取り対応の業者であれば遺品整理料金以上のお金が戻ってくることもあります。他方、特殊清掃は専門的な技術と道具をフル活用して原状回復を図ります。汚損の程度によっては、遺品整理より料金がかかります。

特殊清掃の仕事内容とは?遺品整理との意外なつながり

では、特殊清掃の仕事内容とは具体的にどのようなものでしょうか。実は、遺品整理とのつながりもみられます。以下をご覧ください。

 

特殊清掃の仕事内容

 

先述の通り、特殊清掃の仕事は「故人が発見された室内の原状回復」を目的として行われるものです。したがって、具体的な仕事内容は以下の項目です。

 

  • ・血液、体液の除去
  • ・死臭、悪臭の除去
  • ・害虫駆除
  • ・遺品整理

 

特殊清掃では、室内に残存する血液・体液などを除去します。部屋に残された遺体は、発見が遅れると、血液や体液によって壁や床を汚損することがあります。特殊薬剤を活用することで汚損箇所の染みを除去することもあれば、フローリングの張替えを行うこともあります。

 

また、死臭や悪臭原因の除去、残存する臭いへの対策が行われます。悪臭の直接原因である布団などの処分はもちろん、特殊清掃作業終了時には、残存する臭いを除去するためにオゾン脱臭装置を数日間稼働させることもあります。

 

害虫駆除も特殊清掃業務の一つです。遺体の発見が遅れると、夏なら2、3日、冬でも1週間程度で腐敗が進行します。細菌が繁殖し、ハエ・ゴキブリなどの害虫が大量に発生するので、これらを駆除します。

 

そして、特殊清掃の仕事として遺品整理もあります。そもそも、遺体が残された部屋の汚損箇所を除去するなどの原状回復を目指すにあたって、部屋に残された故人の遺品は円滑な作業の妨げになります。したがって、汚損箇所や悪臭、害虫の除去駆除を行う中で、並行して遺品の整理が行われることとなります。なお、もちろん故人の遺品が乱雑に扱われるわけではありません。遺族からの依頼であれば、その意向を踏まえて対応します。

 

このように、特殊清掃の業務には遺品整理が当然に含まれるので、両者は密接なつながりをもっていると言えるのです。

 

近年需要が高まる特殊清掃

 

社会における高齢化、そして、ひとり暮らしの高齢者の増加によって、孤独死が増えています。その結果、近年特殊清掃に対する需要が高まりをみせています。

 

そもそも、孤独死の発生件数が少なければ、特殊清掃が必要とされる場面は限定的です。家族が看取る中で最期を迎える場合、故人が残したものは親族で形見分けなどをしつつ、遺品整理業者に依頼すれば足りるからです。しかし、発見まで一定期間を要する孤独死が増加すると、部屋の原状回復作業を要する事案もこれに比例します。

 

これらに対応できるのは遺品整理業者ではなく特殊清掃業者です。

遺品整理と特殊清掃の選択基準は?業者を選ぶときの注意点も

特殊清掃か遺品整理か

特殊清掃の業務内容に遺品整理が含まれるために、遺品整理と特殊清掃の棲み分けが問題となります。あわせて、業者選びにおける注意点も紹介します。

 

遺品整理だけで大丈夫?特殊清掃に依頼した方がスムーズなことも

 

「病院で故人を看取った」「自宅で看取ったが医師の迅速な対応があった」という事情があるのなら、遺品整理の専門業者に依頼するだけで不都合はないでしょう。

 

しかし、自宅で家族が故人を看取った場合も含めて故人が自室などで亡くなった場合には、遺品整理もできる特殊清掃業者に依頼して円滑に話を進める方が適切かもしれません。

 

死亡状態にかかわらず、故人の暮らし方によっては特殊清掃が必要になる場合もあります。特に高齢で周囲から孤立した生活をしていた場合、身体の衰えなどから日常の掃除が行き届いていなく、一般的な状態よりも室内が汚損されていることがあります。原状回復のためには、特殊清掃が必要になる場合もあるのです。不動産管理会社に相談したり、特殊清掃業者に電話などで状況を説明して適切な判断を心がけましょう。

 

特殊清掃業者を選ぶときの注意点

 

特殊清掃の料金体系は、業者によって異なります。したがって、特殊清掃業者を選ぶときには、以下のポイントに留意してください。悪質な業者を見極めることができます。

 

  • ・事前に現地確認をしれくれるか
  • ・過去の実績を参考にする
  • ・安過ぎる業者には要注意

 

まずは、作業前に現地を確認してくれるかどうかです。特殊清掃の作業は、専門業者にしか分からないことがほとんどです。したがって、正確な見積もりを得られなければ、過剰な料金を請求されるリスクが生じます。特殊清掃を依頼する際は時間的な猶予が少ないこともあると思いますが、現地を確認した上で適切な料金を提示してくれる業者を選んでください。

 

その業者が過去に施工した実績がサイト上に掲載されているかもポイントです。金額もあわせて掲載されているならなお良しです。他社と比較してみて施工内容・金額が明らかにおかしいと思われる場合は避けたほうが良いでしょう。実際にご自身のケースと照らし合わせてみることで金額の全体感を把握することもできます。

 

特に、提示金額が安価過ぎる業者には注意が必要です。特殊清掃は、いろいろな意味で専門性が要求される仕事です。高度な技術や精神的なタフさが要求される仕事である以上、相応の料金設定は当然と考えるべきでしょう。にもかかわらず、他の業者と比較して圧倒的に安価な料金提示をする業者には、何か裏があると考えて差し支えありません。場合によっては、再度別の特殊清掃業者に依頼しなければいけないというリスクまで孕みます。

 

これらの注意点を意識したうえで、特殊清掃業者に依頼をしましょう。

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